ロゴマーク 第16回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会(The 16th Annual Meeting of Japanese Society for Neural Repair and Neurorehabilitation(JSNRNR))

会長挨拶

会長

第16回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会
会長 野川 茂
(東海大学医学部付属八王子病院 脳神経内科学)

2025年2月15日(土)に第16回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会を、東京都千代田区平河町 砂防会館別館 シェーンバッハ・サボーで開催させて頂くことになりました。当会場はメトロ永田町駅から徒歩1分で東京駅からも近く、全国の施設の方々にお越し頂くのに至便であると考えております。また、COVID-19も2023年5月に5類感染症に移行し、現在オンサイトで開催すべく、鋭意準備を進めております。

現在、我が国は3人に1人が65才以上という超高齢社会を迎えていますが、平均寿命と介護を要しない健康寿命との間には、男女とも約10年の開きがあります。人体の様々な機能を死ぬまで健全に保つことは不可能ですが、一度障害に陥った機能であっても、リハビリによってこれを最大限に回復させることが可能です。さらに、身体的機能回復のみならず、精神的・社会的ウェル・ビーイングを維持することが重要です。

1906年にノーベル賞を受賞したスペインの神経解剖学者Cajalによれば、成人の中枢神経系の再生は不可能で、脳卒中や神経変性疾患で障害を受けた機能は二度と回復しないとされてきました。しかし、近年脳内には再生する神経細胞が存在することが明らかとなり、医療・介護ロボットを用いて脳の可塑性(plasticity)を引き出したり、iPS細胞などの多能性幹細胞を用いて脳の再生を図ることが現実のものとなろうとしています。

日本ニューロリハビリテーション学会JSNRNR (Japanese Society for Neural Repair and Neurorehabilitation)は、World Federation for NeuroRehabilitation (WFNR)の日本におけるnational societyとして、藤田医科大学脳神経外科教授でおられた 故 神野哲夫先生を中心に2010年に設立されました。近年進歩が著しいロボット工学、人工知能(AI)、ブレイン・マシーン・インターフェイス(BMI)、仮想現実(VR)などの技術を通じて、脳の機能回復を図ることも、本学会の大きな命題のひとつです。

第16回学術大会では、テーマを「ニューロリハビリテーションが導く超高齢社会の歩き方」と題し、シンポジウムとして、1)「医療・介護ロボットを用いた歩行リハビリテーション」、2)「脳卒中リハビリテーションupdate」、を取り上げます。また、特別講演を、1)東工大情報工学科 三宅美博教授(歩行ロボットによる神経疾患の診断とリハビリテーション)、2)慶応大生理学教室 岡野栄之教授(iPS細胞を用いた脊髄損傷の再生医療)のお二人にお願いしています。さらに、このようなカッティング・エッジの研究発表のみならず、一般演題(口演およびポスター)、製品・機器・書籍展示、共催セミナーを通じて、若い医師、研究者、コメディカルの方々の様々な意見交換の場を提供したいと考えております。幅広い医療スタッフの皆様のご参加をお待ちしております。どうかよろしくお願い申し上げます。