ロゴマーク 第16回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会(The 16th Annual Meeting of Japanese Society for Neural Repair and Neurorehabilitation(JSNRNR))

会長挨拶

会長

第16回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会
会長 野川 茂
(東海大学医学部付属八王子病院 病院長・脳神経内科学 教授)

この度、2025年2月15日(土)に日本ニューロリハビリテーション学会 JSNRNR (Japanese Society for Neural Repair and Neurorehabilitation) の第16回学術集会を、東京平河町の砂防会館別館で開催させていただきます。JSNRNR は藤田医科大学脳神経外科教授でおられた故 神野哲夫先生を中心に 2010年に設立された比較的新しい学会ですが、World Federation for NeuroRehabilitation (WFNR) に属する national societyとして、既に我が国で確固たる地位を築いています。第15回学術集会は、佐賀大学の浅見豊子会長のもと、第4回日台韓 (JTK) ニューロリハビリテーション会議と合同で盛大に行われましたが、今回そのあとを継いで学術集会を主催させて頂くことは身に余る光栄と存じます。また、「近代建築の父」と呼ばれる辰野金吾は東京駅のドームに十二支のうちの8つのレリーフを残してますが、残り4つが佐賀県の「武雄温泉楼門」から見つかっており、何かの縁を感じております。このような機会を与えて頂きました才藤栄一理事長、近藤和泉前理事長をはじめ、理事の先生方、関係各位に厚く御礼申し上げます。

さて、我が国は「超高齢社会」に直面しており、要介護期間を短縮し、いかに心理的・社会的ウェル・ビーイングを維持できる高齢者を増やしていくかが喫緊の課題となっています。身体の運動機能を最期まで健全に保つことは容易ではありませんが、末梢神経や筋肉の障害はリハビリによってある程度は回復させることが可能です。しかし、スペインの神経解剖学者Cajalが100年前に提唱した「一度損傷された中枢神経は再生しない」というドグマは、最近まで書き換えられることはありませんでした。しかし、神経再生療法とneuromodulationという2つの手法により、まさにそれが覆ろうとしています。

今回の特別講演1では、AIとロボット工学の第一人者でおられる東京科学大学(旧 東京工業大学)情報理工学院 三宅美博教授をお招きし、「「間(ま)」を合わせて一緒に歩くリハビリ支援ロボットと神経疾患への展開」に関してお話しいただきます。また、特別講演2では神経領域におけるiPS細胞研究を先導してこられた慶應義塾大学生理学教室 岡野栄之教授に「脊髄損傷の再生医療 - 基礎から臨床まで -」に関して御講演を賜ります。さらに、昨年我が国のベンチャーから装着型ブレイン・マシーン・インターフェイス(BMI)が上市され、社会実装されましたが、代表者でおられる慶應義塾大学理工学部 牛場潤一教授に教育講演をお願いしております。シンポジウム1では、近年進歩が著しい「医療・介護ロボットを用いた歩行リハビリテーション」を取り上げました。また、シンポジウム2「脳卒中リハビリテーション update」では、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)のみならず、嚥下障害に対する神経筋電気刺激療法や仮想現実 (VR) を用いた半側空間無視の治療などに関してご解説頂きます。

このように、いずれも目が離せないプログラムばかりですので、どうか学術集会の成功に向けまして、皆様方のご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。